【LWPのはなし】LWPについて(後編)

【LWPのはなし】LWPについて(後編)

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アパレルブランドでもなければ、雑貨ブランドでもない。“生活を形作るモノを生み出す”新しいブランド「LIFEWORKPRODUCTS(LWP)」がついに誕生しました。日頃はクライアントワークに当たるふたりのプロダクトデザイナーが、「自分たちが作りたいと思うものを作る」と旗揚げしたLWPとは、一体どんなブランドなのか。LWP編集部が話を聞きました。(後編)


前編はこちら 

取材・文・イラスト:阿部愛美(LWP編集部)、写真:吉田恵梨子(LWP編集部)
  • 宮沢哲(みやざわ・てつ)

    「LIFEWORKPRODUCTS」ディレクター。国内外のインハウスデザイナーを経て、2007年にアンドデザインを設立。2011年よりNTTドコモ プロダクトデザインディレクターを兼務。

  • 南出圭一(みなみで・けいいち)

    「LIFEWORKPRODUCTS」デザイナー。国内外のインハウスデザイナーを経て、2016年にアンドデザインに参加。国内外におけるデザイン賞受賞多数。

「LIFEWORKPRODUCTS(ライフワークプロダクツ/以下、LWP)」は、どんなきっかけでスタートしたのですか? 

宮沢 :

3年ほど前のことですが、はじまりはエコバッグでした。環境配慮の面から自分にも必要だと思う一方、使いたいと思えるものは探しても見当たらなかったんです。しばらく経ったある日、とある洋服屋の購入特典としていただいたナップサックの素材がとても素敵だったので、「こんな素材のエコバッグを作れないかな?」と、南出に相談しました。その素材は最終的に採用しなかったのですが、今振り返るとこの出来事がブランドをつくるきっかけでした。

LWP の商品点数はまだ少ないものの、どれも素材が特徴的ですね。

南出 :

001002のバッグは、素材から着想してデザインしました。というのも、昨今のテキスタイル(織物や布地)には革新的な素材が次々と生まれていたことに強い関心を持っていたのですが、一方で、素材の特徴を活かしきれている商品はまだまだ少ないことにも気がついたんです。僕はテキスタイルの扱いは素人なので固定観念がなく、素材を生かすことだけを純粋に考えてデザインすることができました。結果として、アパレルブランドにも雑貨ブランドにも作れないような特徴的な製品に仕上がったと感じています。

これからのLWPはどんなアイテムが登場しますか?

南出 :

今現在はノートパソコンのスリーブやペンたて、メモパッドの試作も進めていますが、「自分たちが“使いたい”と思うものだけを作っていく」ことがLWPのコンセプトですから、シャツや猫用グッズ、食品など、あらゆるジャンルへの展開があり得ると思います。それらをすべて並べてみたらあまりにもごちゃごちゃなラインナップだと思われるかもしれませんが、一歩引いて全体を見ると、そのすべてが、僕たちや製品を買ってくださるみなさんの「ライフワーク」を形成しているものだと気づいてもらえるはずです。

LWPとはどんなブランドで、これからどんな風に成長させたいですか?

宮沢 :

「こんなブランドです」と断言するのではなく、“変化のブランド”でありたいと考えています。3年前に歩み出してから今日に至るまで、さまざまな人の影響を受けてLWPはカタチになりましたが、その過程において、「揺るがない確固たるブランドビジョンは必要ないんだ」って気づかされたんです。いろんな人がそれぞれの価値観を持っていて、お互いに変化する。もしかしたら、私たちの製品がお客さんに変化を及ぼすこともあるかもしれないですよね。変わることを受け止めることで“LWPらしさ”が育っていくような、そんな気がしています。


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